患者さんへ

専門外来一覧

小児難聴外来工、吉村、小林、小口

お子さまの年齢や発達にあわせた聴力検査を実施し、難聴の有無や程度を調べます。難聴がみられれば、原因検索として画像検査や遺伝学的検査を提案し、同時に治療を提案しております。当科ではお子さまのきこえの力を最大限活用することを目標に、補聴器や人工内耳を含めて、できるだけ早期の介入をおすすめしております。また聴覚活用だけでなく、療育環境についても相談できるように、長野県難聴児支援センターの支援員と診察させていただくこともあります。

成人難聴外来・中耳外来工、吉村、小林、小口

ひとくちに難聴と言っても、その原因や程度はさまざまです。詳細な聴力評価や画像検査、また必要に応じて遺伝学的検査を行い、より正確な診断を心がけています。手術によってきこえの改善が期待される外耳〜中耳疾患の患者さんには積極的に手術を提案しております。中耳手術は病変の進展範囲に応じて、従来の耳の後ろを切って行う手術(耳後切開)だけでなく、耳の穴から内視鏡下で実施する手術(経外耳道的内視鏡下手術)も実施しております。また補聴器を装用してもきき取ることが困難な患者さんについては、通常の人工内耳だけでなく、「残存聴力活用型人工内耳」の適応も考慮して検査を行い、提案しております。また残存聴力の有無に関わらず、できるだけ内耳(蝸牛)の構造を温存するための低侵襲手術、ならびに手術前・手術後の管理を実施しております。

めまい外来塚田、森、杉山

初診で基本的な問診、聴力検査、眼振検査、重心動揺検査を行い、その結果を踏まえ精密検査(電気眼振図、前庭誘発筋電位検査、ビデオヘッドインパルステストなど)を予定します。またメニエール病や遅発性内リンパ水腫を疑う方に対しては、その病態である内リンパ水腫の診断を「内耳造影MRI」という特殊なMRI撮影により実施しております。これらの検査結果を踏まえて、正確な診断や最適な治療・リハビリを提供できるよう努めています。

腫瘍外来鬼頭、岩佐、横田陽

腫瘍外来では、頭頸部腫瘍の治療前後の患者さんに対応しております。頭頸部腫瘍の治療については、根治性はもとより、治療後の「食べる・話す」などの機能面も重要となってきます。治療方針はスタッフで事前にカンファレンスを行い、必要に応じて放射線科・歯科口腔外科・消化器科などと連携しながら、最善の治療法を提示できるよう努めております。手術治療は、従来から実施してきた標準的な頭頸部癌治療(再建手術を含む)の他、近年では咽頭喉頭領域の内視鏡切除についても積極的に行っております。さらに、光免疫療法や頭頸部ロボット手術といった新規治療も行うことができる体制です。治療後の患者さんの経過観察もこの外来で行っており、局所の内視鏡検査や超音波検査、CT・MRIやPETなどの画像検査を定期的に実施して経過をみさせて頂いております。

睡眠音声外来

初診で基本的な問診、診察、検査を行い、その結果を踏まえて睡眠音声外来でさらに詳細な検査(音声の録音を含めた鼻腔・喉頭内視鏡検査・鼻腔通気度検査など)を行っています。検査結果を踏まえて、正確な診断かつ適正な医療を提供できるよう努めています。特に手術によって劇的な改善が望める小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群については、終夜ポリソムノグラフィーなどによる正確な診断後、アデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術などを行っています。反回神経麻痺(片方の声帯が麻痺し、声がかれる疾患)に対しては、音声改善手術(甲状軟骨形成術I型・披裂軟骨内転術)を提案しています。手術を行った患者さんについては、術後の経過観察と術後評価を行い、改善度を確認しております。

突発性難聴外来鬼頭

突発性難聴の治療後の患者さんを診察しております。治療後のQOLの低下には、主に耳鳴・聞き取りにくさがあり、聞き取りにくさとしては騒音下聴取(うるさいところでの聞き取り)や音源定位(どこで音がしているか)に困難を感じる場合が多いとされております。耳鳴については経時的に苦痛度の評価を行い、それに応じて音響療法(補聴器や耳鳴り治療器)などを行っております。また聞き取りについては、騒音下聴取や音源定位能についても合わせて検査を行い、検査結果や残存聴力に応じて、こちらも補聴器装用などを検討していきます。

補聴器外来吉村、佐藤

まずは「音」のききとりの検査(純音聴力検査)だけでなく、「言葉」のききとりの検査(語音聴力検査)などを組み合わせて、きこえをより正確に把握します。同じきこえであっても、患者さんの置かれている環境は多種多様であり、また補聴に対して期待することもそれぞれ違うことを踏まえて、補聴器を装用する耳や適した形状を提案するようにしております。補聴器購入後も、定期的に外来で聴力経過をフォローし、補聴器をメンテナンスする目的での通院を提案しております。

遺伝カウンセリング外来吉村

小児・成人難聴外来で難聴の遺伝学的検査を実施したご本人、もしくはご家族へ検査結果をお伝えしています。結果を示すだけでなく、そもそも遺伝子とは何か、遺伝子ときこえがどう関わっているのか、きこえはどうなっていくのか、結果を元にどのような治療が望ましいのか、また次のお子さんや世代への影響はどうなのか、などをできるだけ丁寧に説明しております。場合によっては遺伝子診療研究センターと連携してお話させていただくこともあります。

顔面神経外来工、吉村、小林、小口

顔面神経麻痺の発症初期でこれから治療を検討する方や、他院で加療を受けたものの改善が乏しい方を診察しております。顔面神経麻痺は、ウイルス感染によるものをはじめ、脳内の病変、外傷、中耳炎、腫瘍など様々な原因によって生じるため、まずは正確な診断を心がけております。最も頻度の高いウイルス性による顔面神経麻痺は重症度に応じてステロイドを中心とした治療をガイドラインに準じて実施いたします。また麻痺の程度に応じて治療の予後を推定するための検査(誘発筋電図検査)を行い、顔面神経減荷術という手術治療を提案することもあります。手術後は1ヶ月〜3ヶ月間隔で外来に通院していただき、検査や加療を継続しております。

副鼻腔外来塚田、杉山

副鼻腔炎の手術後の患者さんを主に診察しております。副鼻腔炎の手術治療は手術と同時に術後の鼻の清掃や内服が不可欠です。適切な術後処置および内服治療により鼻所見・症状が改善できるように努めています。また、難治性の好酸球性副鼻腔炎に対しては生物学的製剤を適応し、難治性副鼻腔炎の症状・QOLの改善を目指します。